未踏作業日誌――余計なもの作るよ!

未踏の作業日誌的なものを書きましょうということで書くことにしました.余計なことばっかりしています.

今後の活動をどうするか会議

いよいよ博士課程も佳境に差し掛かってきた感じがしてきましたが,論文誌は3本通さないとアカンのですよ.そうじゃないと卒業できないしね.

そういうわけで,論文の投稿戦略とか考えるわけですが,直近だと3月中旬にDICOMOの申し込み締め切りがあって,5月にカメラレディ,7月に発表.DICOMOで推薦論文をお願いしておくと,所属研究会のトランザクションで投稿する権利を得られる.

で,9月に国際会議に投稿しようという話になってて,たぶん締め切りが6月か7月ぐらいで被ってる感じがする.

10月か11月ぐらいにDCCへ投稿して,1月ぐらいにDCONへ2本投稿する形になる.もし,1本でも落ちれば卒業できないから困る.いや,電子情報通信学会のほうがギリギリあるから,これは最後の最後の手段になるだろうなぁとか.

そう考えると,6~8月あたりのスケジュールが過密になっていて,果たして実験と実装ができるのかどうか怪しくなってきた.3本目の研究は10月と1月ベースになるから,ある程度の余裕はあるけれども,2本目の研究と国際会議が被っていて,4~5月中に成果をまとめないと,国際会議のほうが間に合わない可能性が出てくる.

国際会議は正直な所,全く行きたくないのだけれども,英語の卒業試験の代わりという謎の理由によって,行くことになってしまった.僕も英語の論文を呼んでいるのだから,外国人も日本語勉強して論文を読めばいいと思う.

 

博士課程は,スケジュールと筋書きとの戦いで,なんか3本の論文がそれなりに筋の通っている書き方をしないと卒業できない.なんか適当に作って発表しても,3本にまとめた時に筋が通らない.

博士課程が卒業時に得られる能力は,研究する能力ももちろんだけれども,研究成果を3本にまとめるだけのストーリー・ライティングと,それを3本通すだけのスケジュール管理能力だと思う.特に重要なのがストーリー・ライティング.

というのも,石は拾っても宝石は逃すなという精神に則っている論文誌が多いため,石の論文でも救いはあるからだったりする.実際のところ,筋は通ってるけど何のための論文なのかよくわからないのもたまにはある.なんでアイツが通ってるのに自分は通らない,それは論文の中での筋を通していないからである.

有用かしょうもないかは,論文のまえがきと背景を読み飛ばして,手法から入るとすぐにわかる.しょうもない論文は,手順を追っていって何をするための手法なのかさっぱりわからない.分野にもよるかもしれないけど,少なくとも専門分野の範囲ではその手法を使うことで何ができるのか想像することができない.

でも,それが論文誌に掲載されている論文は,どんなにしょうもない手法だったとしても,まえがきから順番に読んでいった時,なんとなくその手法は重要だという気持ちになる.その手法が重要だから,著者らはこの研究をやった.その重要性をしっかりと理解させられるかどうかのところで,研究者として大きな差が出てきてしまうのだろうと思う.

 

研究者と言っても,専門分野に詳しいのは確かだとしても,ほんの少し分野が外れるだけで手法の理解が難しくなる.だから,論文を読んだ時に,その手法の中身についてはよくわからなくても,何のためにこの研究をやったのかが重要になる.その結果,何が得られて,何ができるようになるのか,論文の中で明確化する.

論文のお作法を書き表していくと,結局のところはストーリー・ライティングちゃんとやれない人だと,意味のわからん他の人に通じない論文が出来上がってしまう.査読が通らず論文誌に掲載されない.恐ろしい.

僕はこのあたりをしっかりと教えてくれる指導教員の先生方がいるのでまだマシな状況なのかもしれないけど,他の研究室だとどうなるんだろう.先生が論文を書いているというケースもあるのでこのあたりは闇が深い.闇が深いし,その闇でしか維持できないから直らないのか,それとも見て見ぬふりなのか.

僕は一度社会に出てみて,疲れたら大学に残る.

ここ最近の話

いよいよタイトルが適当になってきたぞ~.

研究はとりあえず今のところpendingしていて,3月中旬のDICOMO待ちになってる.仮の研究データはできているので,とりあえずそれを投稿して,カメラレディに向けて論文を書く.今年は三重県でやるらしく,バイク乗って行こうかと思ったら,デモ機材が案外多そうな感じでヤバイ.たぶん,バイクで行けない.

じゃあ,その3月中旬まで何やるのって話だけど,今のところ受託案件こなしてて,お小遣いを稼いでる.よくよく奨学金の規約を見ると,それ相応の稼ぎがあると,その時点で奨学金を受けられなくなることに気づいて驚愕.お小遣いはすべて研究費に溶ける模様.奨学金を受けてる間は,奨学金返済のための資金を稼ぐことができないって,色々とおかしい…….

 

奨学金は高いと言われているけれども,20年ローンで金利が1%未満のことが多い.だいたいトータルで840万円ぐらい借りていて,年間40万円ぐらい返済する.月々4万円だけれども,学費は5万円ぐらいのコストがかかっている.

家賃5万,生活費7万のペースだと,手取り17万円辺りがギリギリ貯金できるラインかもしれない.だいたい給与ベースだと20万円ぐらい.3万円ぐらいが健康保険や年金,所得税などで引かれる.所得税より年金のほうが高い.そこから更に4万円ぐらいの奨学金が引かれる.なんとか生活できるレベルだ.

ただ,よくよく考えるとそこまで借りている人は,私立大学4年間借りた人か,大学院から博士卒業するまで借りた人のどちらかしかいない.大卒だと初任給20万円あたりが相場なので仕方がない.修士卒だともう少し上がって,博士卒だと特殊になる.

年間だと40万円の貯金ができなくなると考えると,奨学金を借りるのはそれ相応にリスクのあることかもしれない.ただ,そのリスクを負って大学には行けるのでなかなか難しい.例えば,大学に行ってちゃんと勉強すれば専門職に就けることもある.特に,院卒なんかは専門職コースに近いとも言える.

まあ,その専門職コースにいるのに給料が全く上がらないという人もいるかもしれない.とても残念なことに,人的コストに金を払わない人も世の中にはいるので,自分のスキルに自信があるのならばさっさと転職したほうがいいのかもしれない.

 

テストデータがなかなか来なくてデバッグできないので,最近は暇つぶしにまたハルヒを作ってる.前は,smoothをかけて大失敗したので,全体のポリゴン数を少なめにしながら最後まで持ってきたい.テストケースの全通を確認するのにユニティちゃんを使ってたんだけど,XNAだったら死んでるような作り方をしていて,修正するのがそのうち手間になってしまった.だったら,テストケースが来るまで自分で作っておいたほうがいいだろう.ということでハルヒを作ってる.人体モデリングは苦手なので,人体のテンプレートがどうしても欲しい感じがある.

インフルエンザになってしまった

どうやら今年はB型が流行っているらしく,インフルエンザの頭痛・発熱・悪寒に加え,胃腸炎がマシマシされやすいらしい.

タイトルの通り,僕も胃腸がやられて3日ぐらい何も食べられない状態が続いてしまった.お腹が痛くて本当につらいので食欲は出ないし,栄養が回ってないからフラフラする.胃腸炎もつらいけれども,その副作用がどうにもこうにもつらい.

 

経過としては,木曜日の夜にやや異変を感じる程度で,ラボメンと筋トレごっことかしていたら酷い頭痛を感じるようになった.

金曜の朝には頭痛が酷くて起きられない状況で,このままだと作業ができなくなってしまうので,頭痛薬を3錠ぐらい飲んで痛みを誤魔化していた.この時点で頭痛薬を飲んでいなければ,夕方辺りに熱も出ていたはずで,さすがに病院へ駆け込んでいたかもしれない.夜から悪寒が出てきて,何も考えず風呂に入ったら症状が悪化した.ここでやっとインフルエンザなのかもしれないなどと思った.

金曜夜中から土曜日にかけて,悪寒と高熱でひたすら汗を流した.3時間毎に下痢をするようになり,水を飲むだけで滅茶苦茶お腹が痛い.土日は一般的に大病院でも休診しているので,ここからが地獄だった.昼ごろになんとなく熱を測ったら38.4度出ていたので,ピークだと38.8度ぐらいは行っていたのかもしれない.夜になると熱がある程度下がったので,アクエリアスウィダーなどを買いに行った.

日曜日には熱が下がって,37.0度前後ぐらいで歩けるようにはなったものの,胃腸炎で水分を取るだけでも滅茶苦茶お腹が痛い.声が出るような,焼けるような痛み.どの姿勢を取っても痛いので水を飲んだら耐え忍ぶしかない.基本的に全て下痢で,2~3時間おきに便意が来る.夜にうどんを食べたら,夜中に腹痛がやってきて疲れる.もちろん下痢.

月曜日は熱がかなり下がったので比較的自由に動けるようになったものの,まだお腹が痛い.昼間はウィダー飲んでもお腹が痛いので,夜にまたうどんを食べるかどうかずっと悩む.夜にウィダーを飲むと痛みが軽くなったので,夜中にうどんを食べてみたら軽い腹痛だけで済んだ.風呂にも入った.

火曜日はお腹が痛くなくなったので,比較的自由に行動できるようになった.ただ,まだこの段階だと下痢が止まらない状態になっていた.

水曜日で食べたうどんが軟便として出てきて,残りは全部下痢の状態になった.胃腸の状態も良くなったので,自由に食事を取れるのかもしれないけれども,下痢を長引かせるとよくないので,食事を工夫して乗り切るしかない.

 

ぶっちゃけ,月曜日に病院へ行ってもよかったのだけれども,ウイルス性胃腸炎ビオフェルミンしか処方されないだろうと思って行かなかった.家にもビオフェルミン(錠剤)のほうがあったので,金曜日ぐらいから食事をするたびに飲むようにしていた.ビオフェルミンは効果あったのかどうかわからない.

金曜日の段階で納豆+麦飯とビオフェルミンで,腸内細菌を退治しようとか思ったけど既に逆効果のタイミングで食べてしまったので後が地獄だった.納豆はなかなか排出されないらしい.土曜日は納豆が排出されるのをただひたすら待つ状態になってしまった.ちょっとした下痢には効果があるのかもしれない.

最近,甘酒を飲んでいたので,森永のフリーズドライした甘酒が重宝した.腸がダメになっているせいで栄養を補給する手段がなかったため,甘酒は貴重な栄養源になった.胃腸炎を本当にどうにかしたかった…….

だいたい3日ぐらいは食べてもどうしようもない状態が続いたし,試しに2日目の夜中にうどんを食べたらひどい状態になった.あの時ほど食べたことを後悔したときはなかった.空腹だったから凄く美味しかったけど,その後が地獄だった.胃腸炎は水を飲んでも平気なくらい落ち着いた状況で初めて食事を取れるのかもしれない.実際,そのほうがいい.

 

Googleとかで色々なインフルエンザ情報を調べていたけれども,自宅にはお母さん的な存在はいないので,すりりんごなどの高等テクニックが使えなかった.一人暮らしがインフルエンザになると,ただひたすら地獄なので,いろいろと準備しておく必要があるのかもしれない.

正直なところ,今回のインフルエンザで学びは全くないレベルだった.扁桃炎よりは楽かもしれない.ふとんかぶって汗を出してれば自然と熱は下がってくる.胃腸炎のほうが地獄だった.次いで扁桃炎.なぜか僕の場合,扁桃炎が重症化しやすい.ご飯食べられないって意味だと両方ともつらい病気なので比較が難しい.

もうインフルエンザをやったことになるので,再発することはないかもしれないけれども,まだ扁桃炎をやらかしていないので注意しないといけない.扁桃炎は初動が大切なので,様子がおかしいと思ったら薬の力に頼ろう.

グラブルの返金騒動と目的のキャラクターが当たる確率について

気付いたらグラブルの返金騒動はそこそこ沈静化しているような気がした.騒いでるのはごくごく一部の重課金ユーザだけで,月に20連だけしか回さないような人は関係のない話だった.そもそも,微課金ユーザはサプチケとかSSR確定やってる時だけしか回さないし,節度持ってプレイしているだけに対岸の火事だと思っていたら,どうやら消費者庁に署名を出したり忙しい人たちがいるみたいだ.

 

返金騒動の発端は,アンチラという期間限定キャラが出るという話.そこそこ壊れ性能で味方全体を全回復させたり,攻撃バフを持っていたり,攻撃と防御を兼ね揃えたキャラクター.同じく期間限定キャラのアニラを揃えると,そこそこステータスアップする.で,アンチラがどうしても出ないと.

hamusoku.com

まあ,アンチラ単体が出ないだけなら確率が低いだけで終わりだけど,このアニラとアンチラの組み合わせ強化(クロスフェイト)はコンプガチャにあたるのではないかと.いくらなんでもこじつけだし,馬鹿馬鹿しいにもほどがある.こいつら,グラブルやったことがないんじゃないか.

 

確率については既にある程度求めている人がいた.話をするまでもなくなってしまった…….

doryokujin.hatenablog.jp

結論で,アンチラの出現率は妥当としつつ,検証においてアンチラが五分五分の確率で出現するために必要な倍率も求めていてなかなか面白い記事だった.

アンチラ単体に対して10倍の補正がかかったとしたら,アンチラ装備は他のSSRと比較して異常に出やすい状態になる.ほかのキャラが欲しい身としてはそれは非常に困るし,SSRが出ても餌にしかならない.基本,6枠はマグナ装備と言われてるのに,アンチラ装備で埋めるのはどうなのか.アンチラ装備しか出ないんじゃ,誰もガチャを回さないんじゃないか.

 

なんか既に考察している人がいてつまらなくなってしまった.返金騒動起こしている人の中で,どれだけの人が手付かずでいるのか非常に気になる.60万とか100万とか使っちゃう人は,返金されてもまたガチャとか引くでしょ,どう考えても.

移動時間とか考えると職場の近くに住んだほうがいいよね

あけましておめでとうございます.これを見ている70%ぐらいの人はお正月にこの記事を読んでいます.

大学近辺へ越してくる前は,往復でだいたい1000円,4時間の通学時間がかかっていた.埼玉の僻地から新宿へ行く程度とそんなに変わらないけど,驚くことにうちの大学の平均的な通学コストだったりする.

片道2時間は甘え,3〜4時間かけてくる人もいる,と大学強者によく言われる.そんなに苦労してまで大学に来て馬鹿馬鹿しい.じゃあ片道2時間のコストってどんなもんなの? って思ったので計算してみた.

 

例えば,普通の職場では1日8時間勤務として考えると,往復4時間は勤務時間の約半分になる.勤務時間に通勤時間を足すと12時間になる.可処分時間は残り12時間.

朝の支度に1時間,寝る支度に1時間,風呂30分,お夕食に1時間,残り8.5時間.

完全な可処分時間はこの8.5時間の中で調整する.寝る時間もそうだし,趣味の時間もそうだし.とにかく,身支度周りをテキパキやらないとだめだし,2ちゃんねるなんて見てる場合じゃない.

例えば,7時間寝ないとつらい人だったら,たったの1.5時間しか趣味に使える時間がない.そこで睡眠時間を削ってしまうと,割とこれも鬱一直線になって危険なんじゃないかなと思う.

職場まで待ち時間込みで20分以内の距離にあれば,3時間20分の空白が生まれる.時給1000円で計算すると,1日3300円の移動コストが発生する.22日勤務するとして,72,600円が1ヶ月にかかる移動コストになる.案外高い.

 

月ごとの移動コストは,現在の家賃に上乗せしても損しないレベルだと思う.その3時間20分を使って1時間1000円の副業すれば取り返せる.仮に近場に住んで3時間残業でもしておけば,(会社が残業代を認める限り)すぐに取り返せる額だと思う.

仮に,埼玉で2Kで5万円の物件に住んでいたとすると,12万円ぐらいの物件なら住めるということになる.東京都新宿区で3.5kmぐらいの距離で物件を探してみると,2Kで5万円のオンボロアパートには住める.車で新宿駅まで14分ぐらいらしい.

12万円ぐらいの物件を調べると,2LDKで専有面積63平米の物件を見つけた.すごい.自動車も自転車も止めるスペースある.新宿駅まで3.5kmぐらいの距離.ちなみに,大学から最寄りの駅まで5.6kmぐらいだったと思う.通勤に自転車を使えば20分は余裕かもしれない.

 

これを高いか安いかは人それぞれだと思う.年間144万円も家賃がかかってしまう.しかし,大学院博士課程に在籍する身としては,学費と家賃を足すと120万円もかかっている.東京でちゃんと稼ぐことができれば,条件としては悪くないかもしれない.

手取り年収で困らないレベルを考えると,手取り25万円で年300万円ぐらいになる.収入の半分が家賃で消えるので,本当に63平米の部屋に住んでしまったら,部屋と生活のギャップがやばそう.

食費1500円だと年間54万円.通信費12万円.水道光熱費18万円.差し引きで1年間で70万円使えることになる.これは年収の23%が貯蓄に回せることになる.5年間貯蓄を続ければ350万円だけ貯蓄ができる.

奨学金を返還するとなると,すこしキツイかもしれない.だいたい年間24万円なので,46万円が可処分所得になる.手取り年収300万円だとかなり厳しい.

そう考えると,年収300万円程度で会社の近場のいい物件に住むのはかなり現実的ではない.家賃7〜8万円ぐらいが妥当なラインなのかもしれない.

年収180万円ぐらいだと家賃8万円で96万円が年間のコストになる.通信費と水道光熱費を引くと66万円が残るので,その中で食費をどうにかしなければならない.1日500円にすればなんとか80万円が手元に残る.自炊しなければならないので,その時間的コストを考えないといけない.せめて家賃7万円のところで住めれば,貯蓄もできる遊ぶ金もある状態になる.

 

そういうわけで,通勤にかかるコストと都心に住むコスト,それと都心に住める収入について考えてみた.トータルで俯瞰すると,埼玉の僻地から通勤に往復4時間かかる人が3.5時間の自由時間を手に入れるために必要なコストなのかなと.生活レベルを維持しようとするとかなりお金がかかるかもしれない.

個人的には,3.5時間って大切だなって思うし,学費とかも払って生活レベルを維持していたりするので,家賃9万円で2Kは魅力的だと思う.おわり.

研究者のための締め切りに間に合わせる時間の使い方と優先順位の関係について

時間の使い方ってとても大切なのですが,仕事が早くても締め切りに間に合わない人がいます.こういう人は時間の使い方や優先順位の置き方がおかしい場合が多い.どんなに仕事が早くても,締め切り直前に仕事を上げるのは意味がないです.

研究では,論文書いて投稿したらいいんでしょ? と思う人がたくさんいます.確かに投稿して終わりですが,論文が書き終わった=今さっき論文ができた状態ではありません.

論文は,添削を山程受けた上で,専門分野の被る他人が読んで理解できるレベルになって投稿できるようになります.今さっき論文を埋めた状態で投稿しても高い評価は得られません.その状態の完成度はまだ2割だと言えます.論文は投稿する1ヶ月前に埋めている状態が理想とされます.と言うのも,添削のコミュニケーションの中で,本当は必要だった実験が見つかる場合があります.締め切り直前で見つかると,どんなに素晴らしい成果でも完成度が低く見られてしまいます.どうしてこうなってしまうのでしょうか? 色々考えてみましたが,時間の使い方と優先順の振り分け方が身に付いていないケースに気が付きました.

締め切りに間に合わない人の特徴

遊びすぎ

締め切りの後なら遊び過ぎはそれほど問題にはなりませんが,投稿1ヶ月前で遊び過ぎはよくありません.遊びはゲームや運動だけとは限りません.研究者がやりがちな典型的な遊びの例を示します.

  • DMM.comのAV女優を学習して,好みの顔の女性にマッチするAV女優を推薦するシステムを作ってしまう
  • WebSocketでP2Pネットワークを作って匿名チャット回線を作ってしまう
  • VRでエッチなコンテンツを作ってしまう

研究として論文にする気があるなら別ですが,こういうのも遊びです.もちろん,遊ぶなとは言えませんが,遊び過ぎると締め切りがあっという間に迫ってきます.1日1時間とか2時間みたいに,時間をコントロールしてください.

でも,集中してやりたいという気持ちはわかります.そういう時は,期限を決めてからやりましょう.なるべく投稿直後の暇な時に,長い時間を取って思う存分やってください.

もちろん,次の投稿に被るような期限を決めるのはよくないです.

副業が大杉

学部生だとありがちなのですが,アルバイトをたくさん入れすぎて卒研出来ない人がたまにいます.学費が払えないなどの特別な事情がある場合を除いて,卒論提出締め切り直前までバイトをやっていると今後の人生に影響してきます.

なのですが,優秀な学生は副業も多いです.なんとかサークルの代表とか,大学のなんとかで委員になってるとか.これも3年生に譲ってください.4年生がやる仕事ではありません.もちろん,副業をやることはいいです.しかし,やりすぎは毒です.色んな組織に属するのはいいですが,優秀な人ほど色々な仕事を押し付けられるようになります.

優先度を決められない

例えば,論文と家賃の振り込みはどちらのほうが大切でしょうか? 論文と思った人は危険です.家賃の振り込みは論文を投稿するまでやらないでしょう.大家さんから家を追い出されます.

確かに,論文を書くことは大切ですが,家賃の振り込みは5~10分で済みます.口座の確認に10分かかるかもしれません.手際の悪い人は1時間かかるかもしれません.それでも,論文のためにクオリティを上げることは,家から追い出されるより優先順位は高いです.

なぜ,そうなるのかわからない人のために詳しく説明します.

まず,「家賃より論文のほうが大切だ!」と思うような状況では,論文のクオリティは著しく低いです.1時間でどうにもなりません.残念ですが.家賃を振り込んで頭を冷やしてください.

家賃の振り込みは突発的な高優先度のイベントですが,家賃以外にも奨学金の継続願や,研究室の残留届け,研究室の予算関連の書類,学会の参加費・渡航費の精算,様々な突発的な高優先度のイベントが発生します.

残留届けがなければ学内から叩き出されますし,奨学金の継続願をすっぽかせば学費と家賃が払えません.それでも論文が大切ですか? 大切だと思うのでしたら優先順位が壊れています.あらかじめ上司やボスに相談して,それらの仕事を割り振らないようにしてもらってください.頼む.

時間を考えて優先度を決める

スケジューリングの基本は,どれぐらいの時間がかかるのかを決めて,優先度を割り振ることです.開発に何日,実験に何日,論文執筆に何日,添削に何日.投稿日から逆算していきます.

もちろん,投稿日ジャストでできるスケジュールは論外です.あり得ません.個別のタスクの半分だけバッファを設けましょう.つまり,ジャストのスケジュールの1.5倍ぐらいは時間がかかると思いましょう.

でも,初めてのことだとなかなかスケジュールを切るのが難しいことがあります.そういう時は,なるべく大きくスケジュールを取ってください.これは,初めてだったから予想よりもたくさんの時間がかかってしまったケースでも対応するためです.

また,優先順位は突然上がったり下がったりします.携帯料金の支払いも,督促状が来たら最優先です.論文の中には,別になくてもいいけど,取るのに時間がかかるデータというのもあります.そういうのは投稿直前にやるべきことではないです.優先順位はもちろん低いです.どうせデータを載っけても,データの説明が足りなくて査読者から苦言を呈されます.

 

確かに,時間や優先度に答えはありません.ですが,ベストはあります.投稿の1ヶ月前には論文が完成しているように,まともなスケジュールを組めるようにしてください.投稿直前になって,論文を埋めたから添削してくださいと言われても,誤字脱字のチェックぐらいしかできません.投稿直前の添削は,クオリティを上げようと思っても上げられません.焼け石に水です.

それでは,よいお年を.

プログラミングの思考プロセス

はじめに

プログラミングって,できる人はジャラジャラ書くんでしょ? という誤解がある.いや,本当にできる人は設計とかアルゴリズムとか考えずにジャラジャラコードが吐き出されるんだけれども,あいにく常時パチンコの大当たり状態ではない.コードを書き始めるのに,どうしても準備が必要になる.

自分は書き始める前にどんな条件が揃わないと書けないのかな,と考えてみたので記録してみる.

おおまかにプログラムを書く前の思考は以下の通りになると思う.

設計

どのようなクラス設計にするか考えてないと書けない.どのようなパターンで組み立てるか,どこに処理を委譲させるか,疎結合になっているか,そんなことを考えながら作る物を設計に置き換えていく.

自販機なら,ジュース管理モジュール,金額管理モジュールがあって,それぞれなになにがあるよね,などなど.

いきなり書き始めることもできるけれども,神クラスが出来上がっていて困ることがたまにある.良い神クラスは後で抽象化することもできるけれども,悪い神クラスは手のつけようのないほど酷い.

命名

クラスの名前や変数の名前は大事.クラスや関数,変数などなどが何のために存在しているのか,説明するために必要.説明がちゃんとしていれば,読んだ時に何をしているのか理解できる.

この名前を思いつくための頭のプロセスが起動していないと,名前を考えるだけで時間を食べてしまう.

かと言って,a,b,c,hogehoge,puyopuyoとか,一時変数を多用するのはよろしくない.難しい処理をしている時ほど,意味不明なコードになりやすいので困る.

名前とかどうでもいいし!って思ってる人もいるかもしれない.だがしかし,Func01232(int arg0, float arg1, float arg2)という関数があったらどうだろう? 人類史上最も頭の悪い命名規則だと思うけれども,こんなのが至るところに存在してたらだいたいの人が発狂するんじゃないかなって思う.コードの名前をかんがえるって本当に大切.

 プログラマは黙ってこれを手元において繰り返し読もう.

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

 

 

アルゴリズム

アルゴリズムというよりも,実装する内容なんだろうか.処理の流れもそうだし,計算もそうだし,データ構造の持ち方からどのような結果を出力するかということもそうだし.

これが思いついていないと書けない.書くものがないのに書くことはできない.誰かからコレ作って,って言われて仕様が渡されれば作れるかもしれない.処理の流れを整理して,何かしら作るものを決まっていないと,書き始めることができない.

そもそも作るものが決まってないのに作れるんか? と言うと,作れることもある.動的計画法で目的の結果を得るまでちょろちょろと繰り返すこともある.ただ,これもやっぱり集中してやっていないと,いつまで経っても同じことを繰り返したりする.

体調やタイミングなど

体調が悪いと品質の低いコードがじゃんじゃん生成される.なにか考えてるんだろうけど,平常時と比べて思考力が落ちているので,意味のわからないコードを作ってしまいがち.こればかりはどうしようもない.

イライラしている時は書けない.感情的になっていると思考が邪魔されて何も思いつかない.横で怒鳴られながら品質落とさずにコード書ける人がいたら天才だと思う.心理的に落ち着いた状況でないと,for文1行記述するのにも苦労する.

タイミングももちろん重要だったりする.集中できるタイミングとできないタイミングがある.1秒間で集中状態になれる人はそんなにいないと思う.陸上選手だったらトラックに入らないと集中できないだろうし,トラックに入ってよ~いする手前で上司からメールが来ました! 稟議書の助詞の使い方が間違っているから今すぐワードで修正して送ってドン! で平均的な記録を出せる陸上選手がいたらすごいと思う.

メールなどで集中は簡単に途切れる.ご飯のタイミングでも集中は途切れる.

メールが届くとメールを書くために集中しなければならない.別の集中が必要になるから疲れる.メール書いてるだけで1日が終わったりすることもある.

結局のところどうなんだろう

どれか少し欠けていてもできるかもしれないけど,品質は落ちるよなぁ.集中してないのにコード書いたって,なんか変なのしか出来ない時もあるし,めっちゃ集中できても設計できてない段階だと神クラスができるし.体調✕設計✕命名✕アルゴリズム✕タイミング=集中力なんだろうか.とにかく集中できないといいコードを生み出せない.集中してなくても簡単にすごいプロダクトを生み出せるならそんなに苦労しないんだろうけど,そのレベルに到達すると人間性を何段階も捨てている気がする.ガルパン見ながらLinuxのハードディスクアクセスのカーネルコードの最適化しますとか,そんな人がいたらめっちゃヤバイし,頭おかしいと思う.授業の前日に教材のノベルゲームエンジン作りましたって先生もいた.新卒の研修で,スマホで3~4体同時に3Dキャラをレンダリングできるようにしましたとか.集中力が尋常じゃないだろうし,そこへ至るまでの経験も尋常じゃない.集中力はやっぱり大事なんだろうけれども,安定して集中力を維持することが難しい.楽器とか,ゲームとか,漫画とか,映画とか,好きなことがたくさんあるので,俗世から魂を解放しないと,集中できないんだろうか.かと言って,集中し過ぎると健康によくない.

ここ最近の進捗

あとは実験をまとめれば,博論を書けるベースにはなると思う.問題は論文だ.適当な論文を書いてacceptされるなら,それが今までどおりのやり方だから一番楽なんだろうけれども,査読者に誤解を与えるとそのままノリと勢いでrejectされるのでつらい.

せっかく頑張って書いても,文章のミスなり図が変だとか,書いてある内容がよくわからないって理由で,3ヶ月ぐらい水の泡になったりするのが研究.でも,品質を担保するにはそれぐらい厳重にやらないといけないのは確かで,そのセオリーに則ってそれなりの論文を書く必要がある.

なので,特集号などにたくさん出すよりも,質の高い研究をアピールすることで,推薦論文を貰って確実にacceptされる方針に切り替えることにした.

自分の研究に自信があるといえども,くだらない理由でrejectされる可能性は残る.「理解できないなら頭からちゃんと読み直せ」とかacceptの権限を持っている査読者に言えないわけである.「だったら理解できるような論文を書け」とか返されるのがオチだろう.

それなら,よほどのことがない限りrejectされないように,推薦論文を貰って条件付採録の可能性を上げて,acceptを貰ったあとに査読者視点のミスを減らしていったほうが確実性が高い.

もちろん,研究会で質の高い論文を書かなきゃならないけれども,rejectされるよりかは何倍もいいと思う.rejectされるのは時間の無駄なので,採択率100%になるように工夫しなきゃならない.

そういうわけで,しばらく論文を書きっぱなしの時期が続きそうな感じがする.なんか,修士の1~2年の時の再来のような感じもするけど,卒業できるように頑張るしかない.良い研究は自分でやるので良い論文を書いてくれる秘書がいたら雇いたい.