未踏作業日誌――余計なもの作るよ!

未踏の作業日誌的なものを書きましょうということで書くことにしました.余計なことばっかりしています.

研究者のための締め切りに間に合わせる時間の使い方と優先順位の関係について

時間の使い方ってとても大切なのですが,仕事が早くても締め切りに間に合わない人がいます.こういう人は時間の使い方や優先順位の置き方がおかしい場合が多い.どんなに仕事が早くても,締め切り直前に仕事を上げるのは意味がないです.

研究では,論文書いて投稿したらいいんでしょ? と思う人がたくさんいます.確かに投稿して終わりですが,論文が書き終わった=今さっき論文ができた状態ではありません.

論文は,添削を山程受けた上で,専門分野の被る他人が読んで理解できるレベルになって投稿できるようになります.今さっき論文を埋めた状態で投稿しても高い評価は得られません.その状態の完成度はまだ2割だと言えます.論文は投稿する1ヶ月前に埋めている状態が理想とされます.と言うのも,添削のコミュニケーションの中で,本当は必要だった実験が見つかる場合があります.締め切り直前で見つかると,どんなに素晴らしい成果でも完成度が低く見られてしまいます.どうしてこうなってしまうのでしょうか? 色々考えてみましたが,時間の使い方と優先順の振り分け方が身に付いていないケースに気が付きました.

締め切りに間に合わない人の特徴

遊びすぎ

締め切りの後なら遊び過ぎはそれほど問題にはなりませんが,投稿1ヶ月前で遊び過ぎはよくありません.遊びはゲームや運動だけとは限りません.研究者がやりがちな典型的な遊びの例を示します.

  • DMM.comのAV女優を学習して,好みの顔の女性にマッチするAV女優を推薦するシステムを作ってしまう
  • WebSocketでP2Pネットワークを作って匿名チャット回線を作ってしまう
  • VRでエッチなコンテンツを作ってしまう

研究として論文にする気があるなら別ですが,こういうのも遊びです.もちろん,遊ぶなとは言えませんが,遊び過ぎると締め切りがあっという間に迫ってきます.1日1時間とか2時間みたいに,時間をコントロールしてください.

でも,集中してやりたいという気持ちはわかります.そういう時は,期限を決めてからやりましょう.なるべく投稿直後の暇な時に,長い時間を取って思う存分やってください.

もちろん,次の投稿に被るような期限を決めるのはよくないです.

副業が大杉

学部生だとありがちなのですが,アルバイトをたくさん入れすぎて卒研出来ない人がたまにいます.学費が払えないなどの特別な事情がある場合を除いて,卒論提出締め切り直前までバイトをやっていると今後の人生に影響してきます.

なのですが,優秀な学生は副業も多いです.なんとかサークルの代表とか,大学のなんとかで委員になってるとか.これも3年生に譲ってください.4年生がやる仕事ではありません.もちろん,副業をやることはいいです.しかし,やりすぎは毒です.色んな組織に属するのはいいですが,優秀な人ほど色々な仕事を押し付けられるようになります.

優先度を決められない

例えば,論文と家賃の振り込みはどちらのほうが大切でしょうか? 論文と思った人は危険です.家賃の振り込みは論文を投稿するまでやらないでしょう.大家さんから家を追い出されます.

確かに,論文を書くことは大切ですが,家賃の振り込みは5~10分で済みます.口座の確認に10分かかるかもしれません.手際の悪い人は1時間かかるかもしれません.それでも,論文のためにクオリティを上げることは,家から追い出されるより優先順位は高いです.

なぜ,そうなるのかわからない人のために詳しく説明します.

まず,「家賃より論文のほうが大切だ!」と思うような状況では,論文のクオリティは著しく低いです.1時間でどうにもなりません.残念ですが.家賃を振り込んで頭を冷やしてください.

家賃の振り込みは突発的な高優先度のイベントですが,家賃以外にも奨学金の継続願や,研究室の残留届け,研究室の予算関連の書類,学会の参加費・渡航費の精算,様々な突発的な高優先度のイベントが発生します.

残留届けがなければ学内から叩き出されますし,奨学金の継続願をすっぽかせば学費と家賃が払えません.それでも論文が大切ですか? 大切だと思うのでしたら優先順位が壊れています.あらかじめ上司やボスに相談して,それらの仕事を割り振らないようにしてもらってください.頼む.

時間を考えて優先度を決める

スケジューリングの基本は,どれぐらいの時間がかかるのかを決めて,優先度を割り振ることです.開発に何日,実験に何日,論文執筆に何日,添削に何日.投稿日から逆算していきます.

もちろん,投稿日ジャストでできるスケジュールは論外です.あり得ません.個別のタスクの半分だけバッファを設けましょう.つまり,ジャストのスケジュールの1.5倍ぐらいは時間がかかると思いましょう.

でも,初めてのことだとなかなかスケジュールを切るのが難しいことがあります.そういう時は,なるべく大きくスケジュールを取ってください.これは,初めてだったから予想よりもたくさんの時間がかかってしまったケースでも対応するためです.

また,優先順位は突然上がったり下がったりします.携帯料金の支払いも,督促状が来たら最優先です.論文の中には,別になくてもいいけど,取るのに時間がかかるデータというのもあります.そういうのは投稿直前にやるべきことではないです.優先順位はもちろん低いです.どうせデータを載っけても,データの説明が足りなくて査読者から苦言を呈されます.

 

確かに,時間や優先度に答えはありません.ですが,ベストはあります.投稿の1ヶ月前には論文が完成しているように,まともなスケジュールを組めるようにしてください.投稿直前になって,論文を埋めたから添削してくださいと言われても,誤字脱字のチェックぐらいしかできません.投稿直前の添削は,クオリティを上げようと思っても上げられません.焼け石に水です.

それでは,よいお年を.