未踏作業日誌――余計なもの作るよ!

未踏の作業日誌的なものを書きましょうということで書くことにしました.余計なことばっかりしています.

気が付いたら優秀論文賞を頂いていました

この前,DICOMOで発表した論文ですが表題の通り,ギョエー.人に言われて初めて気が付きました.連絡とか全くなかったので寝耳に水で驚いています.

実は,8月の終わりに栢森情報科学振興財団というところの研究助成金に応募しまして,当然のことながらDICOMOの研究を継続する形で申請書を書いていました.当たり前のように業績欄を埋めなくちゃならなくて,DICOMOの論文を一応書いておいたのですが,もう少し早く知っていれば,ヤングリサーチャー賞だけじゃなく,優秀論文賞も取ってるって書けたんですが,今更言ってもしょうがないので,採択されることを祈っています.

ちなみに,栢森は意外と間口が広くて,申請者の職種に制限がない素晴らしい財団です.普通は定職についてる研究者が対象になっていて,博士課程の学生とかは助成金の対象にならないことがすごく多かったりします.学振取れないので助成金狙って業績積み重ねるしかないなと思った矢先に見つけられてラッキーでした.

でも,予算としての研究費は物凄くたくさん取れるんですよね.栢森だと200万円が上限で,学振だと150万円,他にも色々な助成金あります.研究費を獲得できて嬉しい! と思う一方で,予算の半分ぐらいは発表のための費用なんですよね.僕の場合はハードウェアが必要な研究なので,ハードウェアをたくさん買うことを想定して予算組むわけですが,論文の掲載費は10ページ使うと15万円にもなります.学会の運営資金になるのでしょうがないだろうなぁとは思いますが,IPSJは電子化してるんだからもう少し安くならないのかとか思いました.

渡航費とか参加費もそれなりにかかったりするので,その分の予算を申請するのはしょうがないとは思いつつ,200万円の予算を申請しているけれども,僕の(奨学金を得ているおかげで)手取り年収もそんなものになるからなんか不思議だなぁとか思いました.

例えば,Kickstarterなんかでは,200万円のプロジェクトは滅茶苦茶成立し難いです.たぶん,僕の研究では30万円でも広告とか報告とか,相当苦労しないと得られないような気がします.一方で,研究予算を申請するための申請書を書くのに,実質3ページで10人日ぐらいかけました.これで採択されれば200万円の予算がおります.ゆーても採択率30%ぐらいなので油断はできませんが,採択されたとしましょう.晴れて200万円の予算が降りましたやった!

研究者になるのであれば,とにかく予算との戦いで,たくさんの申請書を書くだろうということは容易に予想できますが,どのような手段で予算を得るかによって難易度が跳ね上がるんだなぁということを,今回申請書を書いてて思いました.Kickstarterのほうが明らかに難易度が高く,苦労する割に,得られる予算の数も少なく,支援者に細かくリターンする義務も発生すると考えると,研究助成金で指定期間内に十分な成果を論文の形で報告する方が精神的に楽です.やることをやればいい.あれをやってこれをやって,これを報告して,これを説明して,支援者が満足するように頑張る,ということをやらなくてもいい.既に製品ができていて,製品の予約と広告の代わりにKicksterterを活用するなら非常に賢いと思います.そういうことで,研究のセオリーを知っている野良エンジニアの方がいるのであれば,論文誌を出したり,特許取ったりする代わりに,研究助成金で生活するの,すごく良いと思います.問題は,研究助成金のほとんどは研究者個人にお給料が出ないので,数百万円持っていても使えないということも起こり得るとは思いますが()研究者個人にお給料を配分する仕組みがあると,在宅野良研究者みたいなことできるんだけどなぁとか思います.そういう生活に憧れる.