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未踏作業日誌――余計なもの作るよ!

未踏の作業日誌的なものを書きましょうということで書くことにしました.余計なことばっかりしています.

Green DayのWaitingに見るわけわかんない歌詞とPVの分析

はじめに

Green Dayの「Waiting」と言えば,あの悪名高いアルバム「Warning」に収録されている10番目の曲です.「Int Superhits!」にも収録されてるので,Green Dayの中ではかなりの名曲になるんじゃないかなと思います.

 

 

Warningというアルバムは,実はそもそもパンクじゃないという批判が殺到するぐらい評価が別れています.と言うのも,収録曲のほとんどはパンクっぽくないし,メロコアっぽくないし,むしろポップに近いような曲が多く収録されています.

Green Dayファンからすると,「うんうん それもまたアイカツだね」って感じで受け流すのですが,改めてWaitingのPVを見てみると,実はこの歌詞とPVが合わさって天才的なパンクになるんじゃね? ってちょっと思いました.

歌詞とPVの流れ

歌詞の和訳はたくさんあるので,とりあえず以下の歌詞を参考にしながら,流れを追っていこうかなと思います.

Green Day/Waiting

まず,歌詞の内容は,運命だとか星だとか,光り輝いているとか,そんなありきたりな内容になっています.なんかちょっと普通だなというか,まあ普通だからパンクじゃないって批判されるんですよね.

一方で,PVはどうなっているかと言うと,ある1軒のお家の中でパーティだかどんちゃん騒ぎをする内容なのですが,ビリー以外の人はスローモーションです.イントロから始まり,お邪魔しますって感じで人が流れ込んできて,ひたすらたくさんの人が暴れ回ります.

じゃあ,歌詞とPVって何か関係あるの? って言うと正直,最近までは意味がわかりませんでした.スローモーションで暴れる人たちと,光り輝いているとか,運命だとか,繋がりがいまいち見えてこないです.運命の人がフォーカスされているわけでもありませんし,ビリーは色んな所に出現し,挙句の果てに時間まで止めてしまいます.

わけわかんないだけで終わらせてしまうと,ずっとわけわかんないままです.しかし,PVを見ているとそれなりに疑問点が出てきます.

  • なぜスローモーションなのか
  • なぜたくさんの人がパーティをしているのか
  • なぜビリーだけ動いていられるのか
  • 踊っていない人たちは,どうしてその行動を取っているのか?

ここで疑問点を並べて結論ありきで考えてしまうと,これはビリーの脳内なんじゃないか,という仮説が立てられます.さらに,歌詞からこの疑問点を俯瞰すると,やっぱりセックス&ドラッグの話なんだな,ということがわかるわけです.

なぜセックス&ドラッグの曲なのか?

例えば,

Downtown lights will be shining

On me like a diamond

Ring out under the midnight hour

このパラグラフですが,直訳してしまうと翻訳サイトみたいになってしまうのですが,ring outはガンガン鳴り響くという意味合いがあるので,露出オーバーでガチで眩しい状態のことを言っているわけです.レーシック手術に失敗すると,夜中に少しの光を見ただけで,物凄く眩しく光って見えるらしいです.また,瞳孔が無理に開いている状態だとこういう現象が起こりやすいらしいです.で,こういう状態を引き起こすものって何でしょう? って考えるとやっぱりドラッグなんですよね.大麻だとか覚せい剤は瞳孔を開く作用があったりするわけです.当然,この大麻と覚せい剤は後の描写で出てきます.大麻は2:20,これは小麦粉をばら撒いています.覚せい剤は1:47辺りです.覚せい剤は海外だとCrystal Methと呼ばれ,板状のプラ版みたいなものを砕いてから粉状にします.ブレイキング・バッドとか,ハリウッド映画だとかでやってました.ガラスのようなものを重たいもので砕く感じは,まさしくそれだなと思いました.

Feeling on the tip of my tongue

とか,舌の先でなんで感じるんだろうと疑問に思うわけですが,これもLSDが薄いフィルムでできていて,舌の先に乗せるだけでトリップできるわけです.これとリンクしているのが,1:40の意味もなくジュース捨てようとしてる人なわけです.これらを総合して疑問点を見ていくと,暴れている個々の人たちはビリーの分身で,玄関からお邪魔するのは,薬が効いて爆発する瞬間なんだなということがわかります.これは現実とリンクしていて,最後にトリップから覚めてやっちまったぜ,って顔をするわけです.

Better thank your lucky stars

「気持ちいいよヤクの売人さまぁ」って言いながらアヘってるのが目に浮かびます.どおりで「幸運の星に感謝しろ」って訳は意味不明になるわけです,薬だけに.

Waitingのテーマは何だったのか?

ここからPVを通して歌詞カードとメロディを再解釈すると,楽しそうなんてとんでもない,ドラッグ依存がハイになっているだけの曲になってしまうわけですね.セックス&ドラッグの国ならではというか,なんというか.

じゃあ,これは曲を通してドラッグの話なのかというと,歌詞そのものは抽象的にできているので,あくまでPVが歌詞にイメージを与えていることになるわけです.我々はここでPVがドラッグの話だと解釈し,歌詞がドラッグの話であると解釈しただけに過ぎなくて,もう少しメタな視点で歌詞を読んでいくと,依存の話になっていくわけです.

この歌詞の凄い所は,おおよそ依存であればだいたい当てはめることができて汎用性が非常に高いのです.例えば,過食症だとか食べてる間は気持ちいいんでしょうけれども,食べたあとは物凄く落ち込むわけです.ここで,コーラスまでに繋ぐのに一度転調する部分があります.

I'm so much closer than

I have ever known

「今までよりもヤバイのが来そう」と予言しているわけですが,「Wake up!」してからの「Better thank your lucky stars」は感謝する反面,ちゃんと皮肉になっているわけです.「ギョエー」とか言いながら,一番苦しくてガンガンする部分が過ぎると,また元に戻っちゃうわけです.こう考えると,Waitingって名曲だけじゃなくて,ちゃんと作られているし,ビリーの作曲・作詞の才能が滅茶苦茶光ってるわけです.歌詞とメロディが多重構造になっているので,様々な解釈ができるだけじゃなくて,テーマを通して普遍的なことを伝えています.具体的なことを書くのは簡単なんですが,メタなものほど難しいはずです.夜中もいい時間になってしまったのでそろそろ寝ようと思いますが,実はWarningのアルバムはGreen Dayの中でもかなり遊び心のある良いアルバムなんじゃないかなと思います.他にもWarningとかMinorityとかいい曲がいっぱい詰まってるので,割りとGreen Dayを聴き始めるならおすすめしたいアルバムです.というわけで,Watingを気に入った人がいたら,是非Warningを買ってください.輸入盤が滅茶苦茶安くなってます.

 

Warning

Warning